男女の親友は成立するか。
そんなのは愚問である。
もちろん答えはYes.
では、親友から恋人になれるか。
そんなのも愚問である。
もちろん答えは・・・・・・・・・・
そ の 一 秒 、 そ の 瞬 間
マジカルバナナ。
「長太郎!誕生日おめでと。」
今日といったら、2月14日。
「ありがと。」
2月14日といったら、貴方の生まれた日。
「で、こっちがバレンタインね。いつもどうもありがとう。」
貴方の生まれた日といったら、バレンタインデー。
「こちらこそ。」
バレンタインデーといったら、勝負の日。
「今年も人、多いんだね。」
勝負の日といったら、あたしにはない。
「でも少ない方じゃない?ソフト部の先輩達がいるからね。」
あたしにないといったら、好きな人の恋人になれる事。
「いや、充分多いよ・・・・だからあたしが毎年食べ物やめてるんじゃん♪」
好きな人の恋人になれる事といったら、告白。
「それは感謝しなきゃね。あ、今日部活ないから、ちょっと付き合ってよ。雨風強いけど・・・・・。」
告白といったら、貴方にはしない。
「りょーかい」
告白したら今の関係が壊れるのは、目に見えてる。
だってあたしの好きな人はあたしの親友。
鳳 長太郎。凄く優しいんだけど、ちょっと意地悪なところもある、そんな人。
目が合った、その一秒、
恋に落ちた、その瞬間、
あたしは仲良くなりたいってそう思ってしまったのが、間違いだったのかもしれない。
誰が親友と決めたわけでもなく、自然に親友なったあたし達。
親友であっても、どんなカタチであっても、好きな人のそばにいたいって思うのは当然でしょ?
だからあたしは今、この想いを抑えるのに必死。
「何処行くの?」
「内緒。」
男女の親友は成立するか。
そんなの愚問である。
もちろん答えはYes.
「ケチ。」
「行けば分かるって」
では、親友から恋人になれるか。
そんなのも愚問である。
もちろん答えは・・・・・・・・・・
No.
放課後。
「何処行くの?」
「だから、行ってからのお楽しみだって!」
「じゃ、早くいこっ!!」
「そうだね。のんびり行こう。」
「長太郎・・・・・・・・・しょうがない。今日は長太郎の誕生日だ。ゆっくり行こう・・・」
あたし達はフラフラと町中を歩いていた。
話してても話のネタが尽きることは、やっぱりない。
途中、雑貨屋さんに入ったり、ファミレスでお茶したりしても、
やっぱり、話すことはたくさんあって。
そんな時間が、あたしは大好きだった。
でも、町行く人の視線が長太郎に向いてるのが、よく分かる。
背高いし、整った顔、してるもんなぁ・・・。
氷帝でさえ、かなりもててるんだもん。町中で注目されないわけがない・・・。
それだけでなく、あたしにも視線を感じるのはどうみてもカップルだからだろう 笑
嬉しいような、虚しいような・・・
そんなことを考えているうちに、雨が上がっていった。
「・・・・・・間に合って良かった・・・・・」
「あー此処!!」
着いた場所は、野外のスケートリンク。
上に被さってるビニールシートを外したばかりなのか、滑っている人はほぼいないに等しい。
「去年、みんなで来たね。」
そう、今の3年のテニス部レギュラーの先輩と日吉と、マネージャーで親友のと貸し切りで。
「うん。でも前より広くなったんだよ?」
「そうなんだ!でもほんと雨あがって良かったねー・・・ってか、行きたい所って此処?」
「んーま、とりあえずスケート履こう?」
それからあたし達は靴を借り、氷の上に立った。
「・・・・・久しぶりだな。なんか」
「、こっち来て。」
「はーい。」
そう言われて長太郎の後を着いて行く。
「此処が新しくできた場所。ほら、あそこ見て。」
「うわぁ・・・・・・」
夕日が厚い雲の下に現れ、徐々に徐々に沈んでいく。
太陽がかかって、いつもよりも輝いて見える東京タワー。
「・・・・・・綺麗だね。」
一番端のフェンスをつかみながら話す。
「でしょ?誕生日プレゼントのお礼かな。」
「おー!!ありがとう」
そう言ってあたしたちは笑う。
「「あっ!」」
それからしばらくして、東京タワーのライトアップが付いた。
「あはは!これ、去年も見たね。」
「跡部先輩がさんに告白するために、時間を1時間も遅らせてもらったんだよね。」
「そうだったの!?」
「知らなかったの!?」
「うん。全然・・・・・・へぇ・・・・・・・・・」
それからと跡部先輩は付き合ってる。絵に描いたようなカップル。
「変わらないね・・・・・・・・」
「え?」
「あたし達はなんにも変わってないね。良いことなんだかなんなんだか・・・・」
そういってあたしは笑う。
「じゃ変えてあげるよ。」
「え・・・・・・・・・・・・・?」
突然、視界が真っ暗になった。
目の前には赤面してる長太郎。
なんだか唇が熱い・・・・・・
「ゴメン・・・・・・・・。」
まさか・・・・・・・・・・・・・・・・キス?
「なななななななっっっ何!?」
「ゴメン・・・・なんか急にしたくなった」
「そーじゃなくて!何で!?」
「ずっと俺はのことしか見てなかったよ。」
「あたしもだけど!ほんっっとあり得ない・・・不意打ち・・・・・」
おそらく、今のあたしの顔はものすごく赤いだろう。長太郎以上に。でも
「え・・・・?」
「するなら・・・・ちゃんとしてよ・・・・・・」
言葉にしなくちゃ、伝わらないこともある。
そう言ってあたし達はもう一度唇を合わせた。
そして一言。
「「大好きだよ。」」
目があった、その一秒、
恋に落ちた、その一瞬、
唇が触れる、その一秒、
親友が恋人に変わる、その瞬間、
「Happy Birthday・・・・My dear・・・・・・・・」
あたしは来年も貴方とともにこの一瞬を過ごせることを祈ってる。
男女の親友は成立するか。
そんなの愚問である。
もちろん答えはYes.
では、親友から恋人になれるか。
そんなのも愚問である。
もちろん答えは・・・・・・・・・・
Yes, ofcourse .
Fin.